自給自足で一体いくらあれば生活できるのか

June 19, 2020

さて、今我々のIndependent think tankのMirai Institute,ではこうした時期に、何を問題視して問題設定をどの様にするか?をいろいろな人に聞いています。

What is the question?is the question.
何が問題か?が問題で、いかに働くか?が問題です。こうした時代には、早く答えを求めるよりも、問題を掘り下げてみることが大切だと思います。

まずは仕事も全て無くなって、最低限、何から始めるか?を問うとしたら、自分の田畑に自分の家を持ち、自給自足をして、出来るだけ自立する生活の基盤を持っているか?
から始めるのではないか、その為にはどの様なことができるかと常日頃考えてきました。

限界集落で生活するとしたら、一体どの様にしたらいいか?という問題設定をして、かつ世界の最新の状況から取り残されることなく、新しい働き方、本来のあるべき生き方
を実践するにはどの様にすればいいか。

まず滝ケ原では、生活費がほとんどかからない。食べ物は周りの農家の人から分けてもらうし、魚は安い。食材はとにかく安い。自分達で野菜やお米を育てる。またキッチンは綺麗に作ってあるし、食器や家具もいいものをデザインから初めて、ライフスタイルは良いものを目指しているのである。

木村ガラスのワイングラスやグラス類、フィンランドのアラビアの食器や九谷焼やアンテイークの食器を集めている。趣味がいいものを安くで集めているし、音楽や照明や空間も全て上質のものにしている。ライフスタイルが上品に考えられている。デザインやアートや本や音楽好きが集まっている。食にもこだわっている人が集まっている。そしてウェブの環境が整備されWiFiが繋がっているし、環境が揃っている。そこに有能な、刺激的な若者が集まってくる。こうした状況を作り上げてきた。

漆器の工房も作っている。今後は九谷焼の新しいブランドを作り、世界中のデザイナーと新しい陶器を作っていく。また陶器の釉薬に注目し、陶器の釉薬の研究をしていた僕の父親の遺志を継いで、新しくColor Laboをつくろうと思う。

さてこうした状況を小松市の滝ケ原に集めてみたい。するとエネルギーの輪ができて、才能が集まってくる。まず生活の基本的な要素が安定して、良い人のコミュニティーができてくる。受験勉強では、隣の人ができないのを助けることはないが、ここでは隣の人が困っていたら助けてあげるのが当たり前、自分だけ分かっていても嬉しくないし、自分だけ食べ物がたくさんあって、隣の人がなかったら自然に分かち合い、助け合うのが当たり前だという価値観で動いている。

14世紀ペストが流行って、たくさんの人が死んだ時から、いろいろなことが変わった様に、現在のパンデミックの状態を通して色々変わっていく。ルネッサンスが起きた様に、文明を再考し問い直すこと、また最低賃金を設けて、生活に安心を考えることなども始まった様だ。精神的に安心できる様に、まず生活の安定を考えると、お金だけではなく、周りとの関係が安定していて、精神的に豊かである状態に持っていけているか?

滝ケ原では、15人ぐらいの人が今、生活いていて、これからますますたくさんの人が生活すると思うが、みんな地元や東京やはたまた世界中と毎日、連絡している。外国からもたくさん来ている。会議も普通にZOOMなどでしているのをみるにつけ、これからの働き方、仕事の仕方を考えさせられる。それに若い子たちがどんどん結婚して子供を作っている。世間では、なぜ子供を作らないかというと、収入がないからということがいちばんのようだが、収入の先にある安定や安心感があるかというと、この限界集落の滝ケ原には安心が溢れているようだ。

だから子どもを作ってみんなで育てている。こうして見てみると、我々が今やっていることは、大きな実験のようだ。文化的な意識がまずあるか?それが必要で、美しい物や事柄、美味しいもの、綺麗なものをみんなで作っていく感覚がある。

現実的に、大きなテーブルでみんなで食事をするのに食材を買ったり、地元や自分の畑や周りの農家の方から、貰ったりして、みんなで料理するとしたら、すごく安くで食べられ、それも世界中の料理人の料理を食べて、満足して、そんなにお金がかからない。

そして宿泊は僕らのデザインのクラフト&ステイに泊まればまた安い割に良い。こうした地方再生をしつつ新しく文化を作っていく。みんな仲良くやっていく。この実験をし始めようと思う。

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