BRAIN POWER-Tel Aviv Museumでの講演

November 17, 2007

イスラエル航空で北京からテルアビブに向けて発ち、明け方の3時頃に着いた。飛行機は満員だった。北京を出国の際に、テルアビブ美術館で講演を依頼された事など今回の渡航の目的をきっちりと聞かれていたので、現地ではあっけなく入国できた。

ホテルは海のすぐ前だった。気候や雰囲気はまるでサンタモニカみたいだ。翌朝この事を迎えにきてくれたテルアビブ美術館のキューレーターにいったら、数年前に伊藤豊雄さんが来たときも同じことをいったと笑っていた。

この国はアラブ人に囲まれてユダヤ人が戦争している状況だが、そんな厳しさを全く感じさせない青く抜けた空や乾いた空気の感じや、人種の混じりかたなどがまるでLAみたいだ。これは先ずよい話。ユダヤ人とひとえにいっても世界中に散っていたユダヤ人が1948年にイスラエルができてから、念願の自分の国を作って行こうと集まった訳で、顔で判断できないほど人種が混じっている。

僕の興味はこの招待を受けるときに考えていた、なぜユダヤ人はイスラエルに500万人、世界に700万人くらいしかいないにもかかわらず、これほど存在が大きいのかという事。ノーベル賞の20%以上はユダヤ人がとってる。何故こんなに優秀で歴史を動かす人々を排出しているのか。ちなみに、この国には100万のイスラム教徒も普通に住んでいる、これもよい話しだ。

テルアビブは、砂漠の村に植林しグリーンベルト化し、ユーカリなどたくさん植えて、造られた。そしてコルビジェにテルアビブ美術館を設計してもらい、街の中心に美術とコンサートホールを造る所から都市建設をスタートさせたそうだ。これもよい話だ。本当かなと思って何度も聞いたら、美術館の前には国防総省が電波塔と共にそびえていた。これも僕の考え通りというか、情報と文化をまず押さえることの重要性を分かっている。投資や金融でもユダヤ人の存在は大きいと、電波塔をみながらつぶやいた。

この国の徴兵制では、女の人も2年、男の子は3年間軍隊に行くそうだ。まだ若い18歳で3年も軍隊に行くのは人生にとってきつい経験だと担当の人はいっていた。また、僕も日本では何でも直接的でずけずけ聞く方だけど、こちらの人は普通に何でも聞いてくる。かわいい女の子がそれも凄い形相でそこ迄聞くかということを聞いてくる。これもカルチャーだと思う。日本ではそこ迄聞かないのが礼儀ということを、トコトン聞くことこそが礼儀といった感じがする。ぼくなんかは何故か返って楽な気がする。

そういえば、なぜわざわざ日本から僕をこんなにお金を使って呼んだんだろうというのも疑問だった。美術館の館長は、丁寧に案内してくれ、また気楽に一緒にお茶を飲んで、如何に自分は日本に興味を持っているかということを是非聞いてくれとばかりに話してくれた。よい人だなあと思った。

例によって僕は自分の考える革新的デザインについてや、今の日本のデザイン界の現状などを自分がやってきた事実を元にして話した。みんなよく聞いてくれたし、僕のことも良く知っていて、僕が何年にDesign Has No Boundaries といったことや、デザインが都市を包むという試みを考えついた理由などをずけずけと聞いてくれたので、こちらもファイトが湧いた。

そして僕がいつもスクーリングパッドでいっていることを少しアレンジしながら、閉塞感が在る現在の文明状況でデザインというものの意味が変わってきており、美意識を持って創造して行く行為全般が社会で如何に必要になってきたかということを説明した。

そして、最後にユダヤ人の質問好きを讃えて、

A good question is better than a good answer which people are looking for. Because one good question can bring many good answers and even more good questions as well. You jewish people have always healthy curiosities and questions which nobody even think about.

などといってみたらみんな反応してくれ、講演が終わった後、たくさん人が集まってきてくれた。

BRAIN POWER-A lecture at Tel Aviv Museum

I arrived to Tel Aviv by El Al airline and the flight was full. The hotel I stayed was in front of the ocean and the climate was like Santa Monica, California.

In this country the Jews and the Arabs are at war, but you won't feel like that if you were inside. This could be a "GOOD NEWS."

I was wondering why the Jews have their presence so much in this world. Only five million Jews are in Israel and seven million in the whole world, but more than 20 percent of Nobel prize winner are the Jews. Why do they have this much presence? By the way, a million Islam live in this Israel too, which is "GOOD NEWS."

I ask people many questions without hesitation, same thing happens in here. This could be one of their culture. We do not ask deep questions in Japan, but people do ask here in Tel Aviv. I felt comfortable with it though.

I spoke about evolutional designs and design scenes of Tokyo through what I have done. They know well on me and asked many questions.

I told them that the meaning of the word design has been changing a lot and it is important to have atitude to do the creation with sense of beauty.

At the last I said as below with my respect for the Jews asking many questions,

A good question is better than a good answer which people are looking for. Because one good question can bring many good answers and even more good questions as well. You jewish people have always healthy curiosities and questions which nobody even think about.

Many people came to me after the lecture.

エルサレムの嘆きの壁のまえに ▶

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