農業とクリエイター

February 23, 2009

先週末にデザイナーと福井県の産業振興課とに呼ばれて、北陸に行った。彼らは古いビルを再生して古木とコンクリートをうまく使ったオフィスを作っていた。ボクが来るというので会議の場所になった部屋を夜遅くまでかかって仕上げたという。彼らは僕が昔からやってきたプロジェクトの事も知っていてくれて、それも嬉しかった。

僕は何故か富山県や石川県や福井県の辺りに縁があり良く訪れる。この地域の人は良い人が多いし、土地も豊かで文化があり、鎮守の森や古い農家など昔からの日本の風景が残されている。福井の駅のそばの古いビルを改装するプロジェクトの話しについて僕の考えを話すとその通りにしたいといってくれた。

デザイナーたちや建築家達を集め、インスピレーションを得てもらうよう毎回色々な話しをするのだが、共通するのは東京以外の地域の文化的/地域的な豊かさが中々生かされていないということ。つまり日本中が勿体ない状況になってしまっているということだ。

そんな中で情報やデザインや産業など人々を繋ぐ色々な話をすると、最後はやはり情報の流れの話に行き着く。そして彼らが目を輝かして聞いてくれる様を見るとうれしくなる。そして彼らは以前と違って東京などの大都会に対してのコンプレックスがなくなったばかりか、自分たちの強い箇所に気がついてきている。

話の後30人ぐらいで食事をしたしてから二次会でフランスのチーズがおいしい飲み屋に行ったら、そこに更に10人ぐらいのデザイナーの集団がいた。話していると彼らは農業もやっているという。新しい野菜や作物にチャレンジしている彼らを見ると、顔も服装もデザイナーやクリエイターと同じ感じになってくるのかなと思った。決められた作物だけ育てるのではなく、季節や需要に応じて色々と育てていければ良いと思う。そして勿論、農業もマーケティングが必要。

視点を変えれば、地方は本当に可能性に満ちている事が分かる。そしてクリエイティブの意味を考えて古くからあるものを生かして再生して行くと本当に面白いと思う。これから福井や富山の町並みは少しずつ生き生きとして行くだろう。

大不況といわれる今に学べること ▶

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