現代デザインの潮流とそのキュレイション

October 18, 2012

また秋のデザインウイークが今年もやってきた。

ボクは家具のデザインを中心に仕事を始め、それがオリジナルのデザインからライフスタイルや生き方にも考えが及んだ。そして生活の探究を掲げて、家具のメーカーを引っ張ってきて、ミラノやロンドンやニューヨークで新しいデザインの展示をやった。

これは売るというより、現代のデザインを世の中に問いかけるという意味合いが強く、ボクがバックアップしたデザイナーが大きく育ったり有名になったり、何よりも自分の目の付け方が良く、うまくいくという快感がたまらなかった。

個人個人の才能はバラバラだけれど、自分が選びプロデュースしたものを集めてみると、不思議と時代が見えるし、自分の趣味も見えるものだ。ここがデザインをキュレイションする醍醐味。

現代を切り取り、今の美意識を集めて行く。すると現代という時代が見えて来る。デザイナーの創造性も時代によってフォーカスされ方が違う。今年はスウェーデンのデザイナー10人とキュレイター2人、それにスウェーデンのデザインをずっと引っ張ってSwedish Styleをやり続けてきたEwa Kumlinさんも来日して、みどり荘IKI-BAで展覧会やパーティーやイベントをやる。

何故北欧のデザインが今、日本で評価される様になったのか?近年、2月のストックホルムの家具展がミラノよりも乗りがいいのはなぜか?デザインの潮目は完全に変わり、派手できらびやかな所謂デザインらしいデザインに変わって、手の感触のあるクラフトとしてのデザインなどが評価されてきているのは、時代とどういう風に関係しているのか?と言ったことに興味がいく。

キュレイターのKatrinはContemporary Collected.をテーマにしてキュレーションしてきた。日本人のデザイナーも、建築家もアーチィストも参加して、これからじっくりムーブメントを作って行こうと思う。今はそういう時代だと感じる。この動きはデザインを決して見捨てないで、暖かく見守り、サポートしながら自分も参加して作って行くものだと思う。

ボクがささやかながらこの世界でやってきたことが、こうしたムーブメントに役立てばよいなと思う。目の付け方、デザインキュレイターのまとめ方、ビジョンのもって行き方。情報と事業化、などを彼等に聞いてみようと思う。それをまた参考にして再構成していく。KatrinやEvaさんにも大いに話してもらおう。スウェーデン大使もこの為に考えを述べてもらう。

彼は京都大学で俳句や日本文学も勉強してるそうで、日本の文化に対しても造詣が深い。ストックホルム郊外の廃校になった学校を別荘にしているそうだ。益々、身近に思える。クリエイティビティーに対する姿勢を語ってもらう。ばたついている日本のデザイン界にいい刺激になることを願っている。

現代をどのように切り取ってそれを集めて行くかを。そして時代を作って行くか。

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