もしもバッキーがいたら

June 11, 2008

毎週土曜日の14時からのスクーリングパッドのセッションを楽しみにしている。

毎週ゲストスピーカや周りの人と話してイメージを作り、金曜日にクルーに課題を出す。そして24時間で課題に対して解決策を考えてもらう。

全体の流れがあるからもっと時間があったら良いのにとか、セッションのあとからもう一度出したいとか、クルーも色々な事を考えるだろう。それがまた良いと思う。

昨日のゲストスピーカー、デビッド・チッパーフィールドは4月にもミラノで会った。

イギリスのアーキテクチャーレビューという建築の専門誌の編集者とホテルのバーで話していて、イギリスではフォスターやロジャース以外で次の時代の建築家は誰だと思う?というボクの問いかけにチッパーフィールドだと言われた。彼ならボクよく知ってる、という訳で翌日彼のミラノオフィスに行った。

彼はベルリンの美術館島全体の改築と新築を合わせたプロジェクトを行っており、バルセロナや上海などにもオフィスを持っている。本拠地のロンドンと合計で200人ぐらいの建築家をまとめているアトリエ系建築事務所を運営しており、大物に成ってきている。日本では隈研吾さんの所も大きい方だけど、フォスターの所は1000人ぐらいいるらしい。

建築が都市や社会に対してパワーを持ち、プロダクトや家具や小さい家もデザインしてる。ボクは彼が5人ぐらいでやってるときに日本の小さな美術館のプロジェクトを紹介した事があり、それ以来まあ友人のようなものなので、彼の考え方や仕事に対する姿勢や、世界の建築界に対する意見などをみんなで聞いてみたかった。

また建築を考えながら情報やコンピューターの世界で仕事をしている若者に刺激を与えたいとも思っているので、昨日も心していろいろ話してみた。

翌日は、彼と彼の息子ガブリエルとドイツ人とアメリカ人とお昼を食べながら。世界はどうなるかという話をした。そしてバックミンスター・フラーという建築から車から都市から何でも考える僕らのアイドルのおじさんの話になった。

現在の社会は全て消費を基に考えられている。企業活動も建築もどんどん消費が伸び続けない事には大変なことになる、という前提でどうにか拡大し続けさせる事を最優先させているようだ。

建築も消費されていく。価値観が一方向で、タバコはいけないとみんなが騒ぐみたいなものだ。月は雲がない満月でないと行けない訳でなく、曇ったのも良いのだと思う。

そこでデビットが、もし今バッキーがいたら彼だったら軽々とこういうときの解決策や建築を示してくれるんじゃないかと言い、みんなで盛り上がった。

もしバックミンスター・フラーが生きていたらボクはすぐ連絡して呼び、彼の業績や考え方をたどって、そこから課題を出すのにと思ったが残念ながら彼はもういない。しかしこういった事を僕は何時も考えているのは確かだけど。

Paint it black-秋葉原の事件の青年に ▶

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