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January 30, 2009

朝の新聞ではソニーが2500億円の大赤字、トヨタやパナソニックも赤字、しかし任天堂はwiiが当たり最高益と報じていた。また机の上にあった週刊文春の特集ではソニーのエレクトロニクスを軸としたモノづくりが外人経営者によって駄目になっていると書かれていた。

朝お茶を飲みながら20分ぐらい新聞と雑誌を見て、枕元にある植物図鑑に目を通し、シャワーを浴びてから、代々木公園を歩いて原宿に向かう。日本にいる時はほとんど毎朝こうしている。これらはみな繋がっている一つのこと。

世界では電化製品や自動車やその他のモノがもうこれ以上いらない、いや増加しなくても良いという状態にある。しかしだからといって製造業がいらないという訳でもなく、良心的な良いものを丁寧に作るという姿勢に注意が集中し、現在の様なシンプルで安いだけのモノから、もう一歩踏み込んだ時代が来るだろう。

一方ソフト、精神的遊び、頭脳的満足を満たすこと、面白いという事柄を追求する力は相変わらず増加し、ゲームや音楽やデザインやエンタテイメントの他情報に向かうだろう。しかしマスメディアは疲弊し、スポンサーなくしては雑誌もテレビも成り立たない。

良くソニーと任天堂の比較がされるが、注意すべきは、面白い事を求めるのと良いゲーム機を開発する事は両方大切だが、これらがイコールではないという事。こうして新しいソニーのCEOが急速にソフト重視に向かった結果、今までの電化製品開発業とのギャップが出てきた。

また、今は自動車が売れないが、その一方で自転車産業が伸びている。台湾で最大規模のGIANTという自転車会社は40%も伸びてボーナスも23ヶ月分出たという。去年はマイケル・ヤングなどもここのデザインをしていた。今から2年前(マイケルがここの開発責任者のアメリカ人の若者とスノーボードをしていた頃)には、既に今の状態が見えていた。彼らはデザインの新しさは外人にまかせ、製造に徹している。

つまり、文明の進化の過程でこれ以上、便利という名の下に無駄な物が存在する事は難しくなってきた。そしてその分、人体内のエネルギーに対しての消費に人々の目が向かうだろうという、僕らの予測と同じようになってきたということかもしれない。

ソニーのCEOが言う、楽しむ為にモノがあり、モノの為に人がいる訳ではないというのは基本的には任天堂の山内さんが言ってきた事と同じだ。しかし早くからそれを分かっていた所と遅まきながらやった所の差は出るだろう。

トヨタなども、景気が回復した後にまたガソリン自動車が沢山売れる時代が来るなどとは思っておらず、数年前からハイブリッド車などの手を打ってきたが、ついに根本的変換の時が来たということではないだろうか。

そうした状況では原点を考える事が必要になる。ソニーも愉快ナル理想工場と言っていたその愉快さは何か?という問いに向かうべきで、単純に工場に力を入れる事に戻ってはいけないと思う。

本質は何か、面白いことはどこにあるかというエネルギーが僕の全てだとしたら、今ほど面白いことが起きている世界はない。今年は何も買わずに、知ること、学ぶこと、考えることに全て使おうかな。

アルヴァ・アアルトとアルテック ▶

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