Freedom University #2

April 30, 2009

今度立ち上げるプロジェクト「自由大学」では新しい自己責任型労働分配システムをやろうと思う。

例えば、農家の人が余っている遊休地をたくさん持っているとする。かといってそこに行って一年中農家になるほど気合いの入った人はなかなかいない。団塊の世代で脱サラして農業を始めても続かない人が多い。

しかし、都会でITの会社をやっていて、週末や年に数回の種まきや収穫など、ポイントになるときはみんなで出かけて行き、そばに泊まれる場所を確保したり、別荘の様に家を買うことができる人はいると思う。

これらを実現するには、土地借りたり契約をしたりとオーガナイズする人が必要だ。これは1つのチームだけではなかなか難しいので、まず信用のおける人が立ち、収穫の一部を土地の所有者に渡し、残りを分配する仕組みを作ることができれば良いと思う。

アフィリエイトなどは、結婚の本を売りたいという作家と、それをブログなどで書いて支援したい人が、アマゾンの社長とパーティなどで会い、支援者は作家や販売元=アマゾンと同化して宣伝をしよう、しかし自己責任で宣伝する代わりに売れた利益の一部を還元するシステムだからやりやすいのではという感じで、お互いのメリットから考えられた。

この考えは、自己責任や自己犠牲で会社や店やコンテンツを作れる人ときちんと話せば、自分の惚れ込む事業を推進し参加して、きちんと分配を受けることが可能なシステムに進化させることができるはずだ。

こうした考え方自体やシステムも向上して、進化してどちらに対しても良い様にできるはずだ。この考えをこの自由大学でも使って行く。

例えば、お爺さんとおばあさんがやっている、味の良いお豆腐屋さんがあったとする。毎日3万しか売れないがあと2万円分作れて、もう少し売り上げが増えれば止めないでもやって行けるのに、という状況があるとする。

そこで僕たちがキューレィションをして、こうした豆腐屋さん2軒と話し、例えば4万円分を自転車などで売る様にして、それにたいして25%もらう様にするよう仕組む。若い人で毎日でなくてもこれをやる人がいたら、歩合で払ったり日給にしたり、またネットで毎日何時にどこに行くという情報を流したりしてバックアップするときちんと儲かり、また楽しめるのではないだろうか。

こうしたシステムを学校でも、運営そのものに使って行こうと思う。教授と学生の他に、講義を計画する人、キュレーション(美点を理解し組み立てる)する人、場所や時間とをオーガナイズする人、それに事務局でウェブやペーパーをきちんとやる人。これらが合わさって学ぶことを組み立てて行く。

自己犠牲でいろいろな企画を立て動いたら、きちんと成功した場合、配分を得るという働き方は共同で仕事を組み立てる練習になる。今後の創造階級はこの辺を解っていないといけない。それには先ずやるに値することか自分がやりたいことか、それから経済的に利益がある方法と分配の約束をきちんと始めからして行くことが大切。

今の若い人達が働く事について会社に所属し与えられた時間で決められたことを労働するというパターンでしかイメージできなくなっているのに対して、こういう方法もあるという例になればと良いなという思いもある。

僕はずっと、いろいろなことを考えて仕事にしてきた。僕にとっては考えを組み立てることに生き甲斐がある。その時に大切なのは初期の思いと決めごと、約束とその期間、まず初めののスタートでの設定などきちんとしておく事。

続けていく中で思い通りに行かなかったり、想定外のことが起きるだろうが、前提として大きな流れの約束と決め事があれば良い。とかくディテールから入ってくる人が多いが、これは大きな取り決めからスタートしたい。

原宿を歩いていると ▶

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